月別アーカイブ: 2019年11月

鹿島に群生する、鮮やかなイバラカンザシ

サンゴ保全活動 オニヒトデと食巻貝

国立公園、特別保護地域。サンゴ保全活動。
そんな場所に指定されて何十年と経過している場所でサンゴ保全活動を行います。

と言っても近年、正直サンゴはめちゃくちゃになりました。
昨年度の台風で、北西の風が40m、波の高さが5m近くあった。全て吹飛びました。
40mの風はどのくらいの物?ってのがこんな感じ。

瀬ノ浜前の小屋が台風の影響でひっくり返った。物が散乱して風の強さが想像できる
ずどーん

朝の職場の風景。

建物の中から、台風で吹飛んだ小屋の様子を見た写真。600kgの小屋が横に寝転んでいる
こてこて

600kgの小屋が吹飛びます。

台風の波は力がとても強いため、水深5m程の大きなサンゴは割れてしまう
ばきばき

海中もこんな感じ、波の力でサンゴが根元から折れます。
バキバキ。

徐々に再生する事を願いながら、現在どの程度成長しているのか?などを毎年記録。
今日の1本目は鹿島コーラルビーチ、国立公園特別保護地域に7番目に指定されたので別名7号地と呼ばれています。

黒潮の影響で、水がとても青い
水が綺麗だよ
黒潮が来たときは、透明度が20mを越えるときが多く、遠くにいるダイバーもしっかりと見える
とーくから撮影してみる
場所の名前が入ったプレートと一緒に写真撮影。記念撮影ではなく、後で証拠写真として使用します
左が私

今日も水が綺麗。透明度25mくらい。

サンゴの加入が、サンゴが死んだ場所に生え始めている
少しずつ再生

サンゴ礁って、サンゴが死んだ場所にサンゴが重なってできた地層の名称。
徐々にサンゴ礁ができて来た?
小さな「加入」(サンゴの子供)ができるとほっとします。

何年も続くサンゴ群生。鹿島コーラルビーチは夏場に海水浴を楽しむ旅行者が大勢いる為、この場所でスノーケリングも盛んになる
コーラルビーチだよ

鹿島コーラルビーチの水深1m程の場所。
この綺麗なサンゴはずっと生きてます。人気の場所のひとつ。

小さな固体のオニヒトデ、凡そ15cm程の子供を発見。
おにひとでがあらわれた

まあでも、あいつはいつもいる。
今日も発見オニヒトデ。サンゴが白くなってる場所が沢山ある。
悲しいね。

所々、サンゴが食べられた痕が白くなっている。
残念・・・

こんな感じ。
でも実はこれ、オニヒトデだけじゃなくて、小さな貝がサンゴを食べてます。

サンゴを食べてしまう貝を取り除きます
食巻貝「レイシガイ」色々種類はいるけど、レイシガイの仲間が多い
サンゴの間には指が入らないため、水中へピンセットを持ち込んで貝を取り除きます
ピンセットを使って貝を取り除くダイバー

場所によっては、オニヒトデよりも巻貝が深刻。
特別保護地域の指定地区、7号地コーラルビーチ(ここ)と2本目の瀬ノ浜も巻貝が沢山沸いています。集団で食べつくされると非常にまずい。

合計で、巻貝367匹オニヒトデ2匹を駆除して、サンゴの被度を測定して今日の活動はお終いです。

鹿島の桟橋先端には、体調30cm以上のグレが沢山群れている
ぐれがあらわれた

いつもダイビングポイントとして使っているこの場所。
桟橋わきにはグレが沢山。綺麗です。

オニヒトデの恐怖

サンゴを守る勇者、保全活動

オニヒトデに囲まれた。どうする?

サンゴ保全活動を行いました、明日も予定中。
この活動は荒れてばっかりですが、今日は透明度20mでベタ凪ぎ。

海が綺麗な青色、黒潮が入ると急に水の色が青くなる
海が綺麗な青色、黒潮が入ると急に水の色が青くなる

一本目に横島断層と呼んでるポイントへ。
船に乗った瞬間、水が青い。

横島の浅い場所でオニヒトデを探す。サンゴ群生が続く岩だなは奥のほうまでびっしりとサンゴに覆われている
横島断層の景色

綺麗、なのは良い。
ずーーーーーーっと泳いでた、しんどい。

この日の目的は、サンゴ被度の測定と、食害生物の駆除目的。
サンゴ被度は、岩などサンゴが生息できる場所の面積を目視で計測して、その中で何パーセントサンゴが覆われてるかを「50%」みたいな形で記録する作業。

この作業が簡単なようで、簡単なのですが、15分間泳がないといけません。
世界レベルで計測方法が決まってるのです。
流れが強い中15分泳いで、その後流れに耐えながらオニヒトデなどを探して駆除。

大変。

人差し指より小さなサイズ、サンゴの子供「加入」です
加入 サンゴの子供です

これ、サンゴの子供です。
「加入」って言うらしい。これが沢山増えてくると、数年後はサンゴだらけ。

サンゴの加入が沢山増えています。横島の何もない砂地部分
加入が沢山増えてきた

小さいサンゴ「加入」が沢山。
数年間、気象条件が安定していれば増殖する。
なんて打算しても、実はこのエリアは台風の大きな波が地上に当たって、砂や泥だけでなく岩が転がってくる。「加入」が増えては無くなってを永遠と繰返しています。

なくなっても加入が増えるってことは、この海はまだ元気な証拠。
この日はオニヒトデは1匹だけ。
横島は良い状態に保たれてます。

鮮やかな赤色をしたオオトゲトサカが水面まで延びる岩肌を覆っている、とても綺麗なダイビングポイント、クロハエ
ダイナミックでソフトコーラルがとても綺麗

普段お客さんは連れて来れない場所。5号地クロハエ。
海域公園に5番目に指定されて、観光船でも船からこの場所をお見せしてます。
流れが速すぎるから、お客さんと一緒に入るのは怖い・・・のと、船が上手くアンカリングできる場所がないので、戻ってきたら船が無いなんてことにもなりそうでポイントとしては使っていません。が、この海を代表する場所のように綺麗なポイント。

イサキの群れがどんぱちどんぱち
どんぱちイサキ

イサキの群れに囲まれながら、オニヒトデを探す。
観光船から見えていたようで、彼らがいそうな場所は大体把握してます。

オニヒトデがサンゴの下に隠れているが、周りには食痕が広がる。
オニヒトデの食痕が良く分かる1枚

奥の方、白くなってるでしょ。
白いとこ(奥右)が一番最近に食べられた部分。
緑色のとこ(前左)は、食べられて時間が経ったせいでコケが生えた。
茶色部分(奥右)オニヒトデが隠れてるとこの上は、もっと時間が経った部分。

オニヒトデがつままれている
オニヒトデがつままれている!!!!!

証拠写真を撮りながら、退治してく。例年10固体くらい見つかっていたオニヒトデが今回は4固体だけ。ここも良い環境が維持できていそうです。

黒潮はとても青い。
綺麗

イサキの群れを見ながら帰る。明日もやるよー。