目次 このページは「2.浮力」
「2.浮力」
○浮力って何?
○浮力は深さで変化する
さてこの浮く力、深さで変化します。
図の風船を見て下さい。
風船を水に沈めると、徐々に小さくなります。
水の重さ「水圧」のせいで、
風船がギュっと小さくなるのです。
反対に、風船を水中から水面に持ち上げると
水圧が無くなって元の大きさに戻ります。
水中から地上へ移動すると、空気が膨張するのです。
空気が膨張すると、浮力も強くなります。
しぼんだ浮き輪と、パンパンに膨らませた浮き輪。
どちらが浮く=浮力が強い、か想像できますね。
○風船の大きさに注目
沢山空気が入った風船をもっと膨らませたら、そのうち割れます。
風船を水中から水面に持ち上げると、空気が膨張して大きくなりますが、
水中で「パンパンに空気を入れた風船」を、水面に持ち上げたら?
膨らんで大きくなった風船が割れることを想像して下さい。
「絶対に息をとめない」〇4つのルール、1つ目。
これを人の肺に置き換えましょう。
肺も風船と同じように、水圧の影響を受けます。
1.水中で息を沢山吸って
2.呼吸を止めて水面に上がったら
「パンパンの風船に」+「フタをして」
このまま浮上したら…
何が起こるか想像してみてください。
危ないってわかりますか?
水中で息をとめて、水面へ戻ると
肺の中、ふくらんだ空気の逃げ道がなくなって
【肺が破裂】します。この症状を、
【肺の過膨張障害(かぼうちょうしょうがい)】
と呼びます。
難しく考えずに、呼吸は止めない!とまずは覚えて下さい。
呼吸を続ければ、ふくらんだ空気は自動で口から出ます。
これが「4つのルール」の1つ目です^^
○科学的な話・・・
水中では「水と空気」の重さがある。
風船を水に沈めると大きさが変わるけど、
それはどの程度?って話をします。
単位は覚えなくてOK、まずは話を適当に聞いてみて下さい。
上の表を説明すると
①私達は、実は普段から空気の重さを受けて生活しています。
1atm=1気圧≒1bar、天気予報で出てくる言葉。
②水の重さは 水深10mごとに1気圧増えます。
10mで1気圧。キリが良く便利なので、水も「気圧」で表します。
そういう物と思って下さい。
③風船の大きさは 1 /(空気+水の重さ) の大きさになります
水中に風船を入れると水圧で小さくなる。その大きさは
「○ぶんのいち」の○部分を、(空気+水の重さ)を差し替えてって話です。
計算の方法は覚えてなくても大丈夫です。
何度も話すので、勝手に覚えます^^

講習で実際に試します、ウエットスーツはとんでもなく浮きます。
生地の厚みが5mmのものをお貸しします。
5mmもあると、暖かいのです。そして浮きます。
ウエットスーツは体が濡れます。
体とスーツの間に薄い水の膜ができますが、
体温で暖かくなって寒さを感じないのです。
ウエットスーツ生地には、気泡が沢山含まれています。
このおかげで熱が逃げ難いのです。
気泡が沢山含まれているってことは?
浮きますよね。浮き輪とか、風船と一緒です。
でもここで、前に勉強したこと。
ウエットスーツの生地も水圧の影響を受けます。
風船が縮まるように、気泡も小さくなるのです。
気泡が小さくなるので、浮かなくなります。
深く潜れば潜るほど、浮かなくなるって覚えて下さい。
肺は、大きな浮き輪。しかも空気の出し入れが自由。
息を吸うと、肺が膨らみます。空気が沢山、浮くってことです。
息を吐けば、肺が小さく。空気が無くなって、浮かないのです。
後で出てきますが、
ダイビング中は中性浮力「浮きも沈みもしない状態」でいることで、
吸ったら浮く、吐いたら沈む。
と、自分が泳ぐ深さを、呼吸でコントロールすることができるのです。
この先、何度も言います。そのうち勝手に覚えてます。
中性浮力で【吸ったら浮く 吐いたら沈む】